企業物価9%の上昇 61-238(9/13掲載)

政治無策の貿易赤字13ヶ月連続

8月貿易赤字過去最大2.8兆円 円安・資源高で赤字膨らむ―電気・ガス代等に物価高騰圧力

1月から8月までの貿易赤字累計12兆2,004億9,200万円
=このペースが続くと貿易赤字は年間18兆円の赤字
=その分そっくりGDPのマイナスに繋がる

   東京国家公務員・独立行政法人労働組合共闘会議 事務局長 植松隆行(元東京税関上席調査官)
 
 財務省が昨日・15日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆8,173億円の赤字でした。赤字額は比較可能な1979年以降で過去最大を記録しました。円安と資源価格高騰が赤字を膨張させる構図が続いており、電気・ガス代等への値上がり圧力が一段と強まっています。原因はズバリ「政治無策」です。


貿易赤字額が最大を更新するのは、東日本大震災後の原発稼働停止に伴い、火力発電用燃料の輸入が増加した14年1月(2兆7951億円)以来、8年7カ月ぶりとなります。
 8月の輸入額は前年同月比49.9%増の10兆8792億円と過去最大。石炭が241.0%増、液化天然ガス(LNG)が140.1%増にそれぞれ膨らみ、原油は90.3%増を記録した。穀物類や肉類などの食料品も35.0%増えました。
 輸出額は22.1%増の8兆619億円と8月としては最大となりましや。急速な円安を追い風に自動車が39.3%増と好調だったほか、中国向けなどの半導体製造装置が22.4%増と伸びました。